みなさんは『不思議な話』って信じますか?
よく昔から伝わる伝説とか、妖怪とか、今に生きていて、考えられないような不思議な出来事。
山形県でもそういう不思議な話はきっとあるはずですよね。私はそういう不思議な話がとても大好きです
山形県の上山市にある「生居の化け石」の伝説を最近知る機会があり、しかもその化け石が今も残っているということで、一緒に子どもたちと見に行きたいと思いました。
ただ、そのままの言葉で伝説を伝えると子どもたちが理解出来ないだろうと予想されます。
ということで、今日は上山市の化け石を子どもに上手に説明するためのポイントを紹介していこうと思います。
上山市生居の化け石とはどんな話?
【化け石と子持ち石の由来】
遠い昔の事である。この付近は雑木林が茂り昼でも薄暗く、夜になるとこの石が化けて出るというので、夜通るものはいなかった。
所が下生居の権左エ門が公用の帰り、夜遅く家路に急ぐと怪しげな気配を感じ立ち止まると、闇の中かから声がする。
「待ってください一つ頼みがある」
と言うので、
「頼みとは何だ、何故に化けるか」
と詰問すると、
「私には沢山の子供がおり食物がなく困っている」
と言うので早速家に帰り家内中寝ている者を起こし一俵余りの飯を握り飯にし「ほうかい」に入れ化け石の前に供えた。
するとどこからともなく沢山の手が伸び早速に平らげてしまい、権左エ門が帰ろうとすると、
「有難うございます。助かりました。お礼にこの石を差し上げる。この石ある限り家内繁栄、子孫は永久に栄えるでしょう」
と言葉を残し闇の中へ消えていった。
この石を池の中へ沈め守護石として祭っていたが不思議にも毎年いくつもの小石を生むので子持ち石と呼ぶようになった。上山城主が御殿に持って帰ったが、一夜にして戻って来たと言う。
※実際の場所に立っている看板に記載のある由来を転記しています。
このままを読んで子ども達に伝えても理解できませんよね。大人でも1度読んだだけでは理解できない方もいるかも知れません。
ちなみに小学生低学年の子を想定しています。
こちらの伝説を、何とか子どもが理解できるように上手に伝えたい!!
続いては子どもにわかりやすく伝えるためのポイントを紹介していきます。
子どもに上山市の化け石伝説を上手に伝えるための4つのポイント
子どもに上山市の化け石伝説のお話を上手に伝えるには次の4つに注意する必要があります。
1.子どもに伝えるということを意識する
2.絵本に近い丁寧な言い回しにする
3.昔の言葉を現代の言い方に置き換える
4.必要箇所以外は出来るだけ簡単に
この4つのポイントについて、例を使って解説していきます。
ポイント①子どもに伝えるということを意識する
まず大事なのは、相手が子どもだということです。子どもに伝えるということに意識し、文章をわかりやすくする必要があります。
例えば上の図で説明すると、「公用」や「家路」という言葉は、小さい子どもが理解するには難しく、
「公用の帰り、夜遅く家路に急ぐと」▶「夜にひとりで家にかえろうとすると」
に言い換えることで、子どもに伝わりやすくなります。
また、「家内繁盛」や「子孫は永久に栄える」も同じで、子どもの頭にスッと入ってくるように
「この石あるかぎり家内繁盛、子孫は永久に栄えるでしょう」
▶「この石を持っていれば子どもが沢山生まれ、家族のしあわせがずっとずっと長くつづきます」
と言った言い回しに変えてあげます。
子どもが理解できる言葉や意味には限界がありますよね。
相手が子どもであることを意識しできるだけ子どもがわかるような言い回しや言葉を使って伝えることが大切です。
ポイント②絵本に近い丁寧な言い回しにする
子どもは雑な言い回しに慣れていません。
丁寧な言い回しにすることで、話も柔らかく聞こえ、難しくとも話が頭に入ってきやすくなります。
まずは、「した、する」を、「しました、します」に変えてあげることで、丁寧な言い回しになります。
わかりやすい流れを作り、話しの内容をわかりやすい流れにするために、
「私には沢山の子供がおり食物がなく困っている」の会話で、子どもに伝えるときには、困っていますの後に「何か食べ物を下さい」と言葉を補足することでよりストーリー性が生まれます。
ポイント③昔の言葉を現代の言い方に置き換える
伝説や昔話は、当時の言葉を使用している場合が多いです。
昔の言葉や単語は現代の子たちには通じません。
わかりやすく伝えるためには、現代の子たちが理解できる言葉に置き換える必要があります。
例えば、「家内」▶「家族」、「握り飯」▶「おにぎり」、「ほうかい」▶「お弁当箱」、「石が化けて出る」▶「石のお化け」に現代の言葉に変えてあげることで、子どもでもすぐに理解できるような文章になります。
ポイント④必要箇所以外は出来るだけ簡単に
子どもは長い説明は苦手です。必要箇所以外は、出来るだけ簡単な文章にしてあげると、頭に入ってきやすくなります。
例えば、「この付近は雑木林が茂り昼でも薄暗く」の中で、細かい説明は物語には必要ないので、「このあたりでは昼でもうす暗く」のように簡単にしてあげます。
「公用の帰り、夜遅く家路に急ぐと怪しげな気配を感じ立ち止まると」も同じように、必要のないものを省き「夜にひとりで家に帰ろうとすると」と言った感じにしてあげることで、子どもには必要な情報だけが伝わるやすくなります。
『上山市化け石伝説』子どもにわかりやすく説明してみた
むかし、むかし、このあたりでは昼でもうす暗く、夜になると「石のお化け」が出るといわれていたので、夜はこわくてこの辺を通る人はいませんでした。
ところが、権左エ門(ごんざえもん)という男が、夜にひとりで家に帰ろうとすると、大きな石からおんなの声がしました。
「待って下さい。一つお願いがあります」
権左エ門はびっくりしましたが、
「お願いとはなんですか?」
と聞いてみると、
「私には沢山の子どもがいますが、食べるものがなく困っています、何か食べ物を下さい」
と言いました。
権左エ門は家に帰り、家族を起こして、みんなでおにぎりを沢山作り、お弁当箱に入れて、石の前におそなえをしました。
すると石から沢山の子どもの手がのびてきて、おにぎりはすぐになくなってしまいました。権左エ門が帰ろうとすると、
「ありがとうございます。助かりました。お礼にこの石を差し上げましょう。この石を持っていれば子どもが沢山生まれ、家族のしあわせがずっとずっと長くつづきます。」
と権左エ門に小さな石をわたし消えていきました。
権左衛門は、もらった小石を、お守りとして家の池に沈めました。不思議なことにその石が毎年たくさんの小石を生むので「子持ち石」と呼ぶようになりました。上山の殿様はこの石が欲しくて、城に持ち帰りましたが、石は次の日になると不思議なことに勝手に池に戻ってきたと言います。
どうですか?とてもわかりやすくなったと思います。
実際に子持ち石はどこにあるか気になりますよね。近所に住む方に聞いたところ、現在も権左エ門さんのお宅の家に沈んでいるのだそうです。
信じるか信じないかはあなた次第です。
『上山市化け石伝説』の主役『権左エ門』はどういう人?
話に出てくる権左衛門って誰なんでしょうか。
すごく気になりますよね。
実は上山市生居には国の重要文化財に指定されている「旧尾形家住宅」があります。
尾形家住宅は江戸初期宝暦年間の建物で、上層農家でした。七十一代も続く豪族の家系で、その家系の中に権左エ門さんがいました。
女性のお願いを聞いてあげたことで、もらったのが「小石」というのがなんとも可愛いお話と思ってしまいます。
権左エ門さんの家系のお宅が国の重要文化財だなんて、本当にすごいですね!
権左エ門が住んでいたといわれる「旧尾形家住宅」
国の重要文化財に指定されている「旧尾形家住宅」は実際どんなたてものなのでしょうか。
早速見に行ってきました。
中には入っていませんが、外から見ても歴史を感じる重い雰囲気が伝わってきました。
国の重要文化財に指定されている「旧尾形家住宅」入口の門
実際に行ってお話すると、とてもイメージが膨らんで会話が弾みます。
藁葺き屋根が今では珍しいですが、当時の雰囲気が残っていて、当時ではとても立派な家だったのかと想像できます。
南房総市石堂原にある旧尾形家住宅。江戸時代中期の茅葺き古民家です。国指定重要文化財。
“分棟型民家”という様式ですが、昔読んだ論文だと、「南方に源流がある」と書いてあったような?
最新の研究成果はどうなっているのでしょうか。誰か民族建築学に詳しい人がいたら教えて! pic.twitter.com/5rehTJJOqG
— 武田新 (@TAKEDA_ARATA) June 22, 2021
実際に中に入って正面の外観を撮っている方がいましたが、本当に立派な大きいお家です。
伝説のお話を知るとお家だけではなく心も広かったのかなと感じてしまいますね。
旧尾形家住宅基本情報
住所 | 山形県上山市下生居170 |
営業時間 | 9:00~16:45 |
休業日 | 月曜日、年末年始 |
TEL | 023-674-3477 |
入館料 | 大人220円、高校・大学生、160円、小中学生50円 |
駐車場 | 有(3台分) |
ホームページ | 上山市役所HP |
【旧尾形家住宅周辺の地図はこちら】
『上山市化け石伝説』の化け石実際の画像
この伝説の『化け石』を実際に子どもたちと見に行ってきました。
近くまで行くと、「化け石と子持ち石の由来」という看板があり、そのすぐそばに『化け石』がありました!!
子どもたちは本物の化け石に興味津々でした。
草がすごくて写真だとわかりにくいですが、石がつぶれてるような苦しそうな顔をしていました。
『化け石』と言われているのも納得!!ですが、伝説では女性が出てきたとありますが、石のイメージは個人的には男性かなと思います。
その後女性が姿を現すことはなかったのでしょうか。あくまで伝説ですが、実際に石があるのと、権左エ門さんのお宅が残っているので、実際にあった話なのかなと思いたいですね。
上山市生居の化け石基本情報
住所 | 山形県上山市下生居新山吹396 |
駐車場 | 無 |
【上山市生居の化け石周辺の地図はこちら】
まとめ
上山市の化け石伝説いかがだったでしょうか。
内容を更に噛み砕いて、子どもに上手に伝えると実際に見に行く楽しみもあるし、会話も弾むので、とても楽しいです。
昔にあった伝説の話の物体?が今も残っているだけで子どもたちはとても興味を示しわくわくします。
その話が真実だと思えば、色んな想像を親子で楽しめるので、伝説などの昔話を子どもにすることは良いことですね。
実際に石が喋ったり、石から小石が生まれたり、実際にそんな時代があったのかもしれないですよね。
私達の現在がそうでないだけであって、これまで何年も地球は存在しているわけですから、不思議なことなんて沢山ありますよね。
みなさんも、上山市の化け石伝説、是非子どもに上手に伝えてみて下さい。
最後まで読んでいただきありがとうございます。感謝です。
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